秋風が吹き始めると、江城河城の山々は徐々に黄金色に染まります。「百湖の城」として知られる武漢は、広大な水域だけでなく、人目につかない山々も数多く存在します。賑やかな街中にひっそりと佇む山もあれば、キャンパスの片隅にひっそりと佇む山もあり、武漢市民にとって自然と触れ合える最も身近な場所です。そしておそらく最も驚くべきは、これらのハイキングスポットの多くが完全に無料であることです。

1. 賑やかな街中の静かな山道
武漢のハイキングスポットといえば、黄鶴楼の麓にある蛇山を思い浮かべる人が多いでしょう。黄鶴楼の入場料は高額ですが、地下鉄小東門駅から石段を登れば頂上までは無料です。秋の蛇山は、そよ風に吹かれ、木漏れ日に包まれ、時折龍華寺の鐘の音が響き渡ります。観光客の喧騒はなく、まるで山の向こうに沈む夕日のように、静寂に包まれた雰囲気が漂います。
蛇山を挟んで対岸に建つ亀山は、またしても驚くべき景観を誇ります。地下鉄6号線琴台駅からわずか数歩で、山の麓に到着します。頂上に登ると、長江両岸のパノラマビューが広がります。一方には歴史的な建造物が、もう一方には近代的なビルが建ち並びます。遠くから見ると亀山と蛇山が向かい合う様は、「亀と蛇が河を塞ぐ」という諺を体現しており、静謐でありながら荘厳な景観を醸し出しています。
2. 隠れたニッチな自然の楽しみ
武漢には、この二つの「古江山」に加え、新たに人気を集めた「ネットで話題の」山々が数多くあります。例えば、豊度山は、そのロマンチックな名前から、鮮やかな秋の雰囲気を思い起こさせます。山を覆う深紅のカエデは、太陽に照らされた炎のように燃え上がり、写真愛好家にとってまさに天国です。さらに、ハイキング愛好家なら、豊度山と東湖七山を繋ぐ「都会のオフロード」アドベンチャーに挑戦できます。この5時間の旅は、充実した時間でありながら、心身ともにリラックスできる体験となるでしょう。
例えば、光谷にある二飛山と青龍山は、あまり知られていないものの、街の端で真の自然を味わえる場所です。唯一の欠点は、交通の便が少し悪く、ハイキングコースの案内やサポートサービスに改善の余地があることです。

3. キャンパスの「緑の肺」
都市登山の魅力が「利便性」にあるとすれば、キャンパス登山の特徴は「生命力」にあります。
華中科技大学がある玉家山は、武漢の最高峰です。標高は低いものの、野性的な魅力に溢れています。曲がりくねった石畳には小さな花が咲き乱れ、朝霧に包まれると仙境のようです。華中農業大学近くの石子山は、より活気のある雰囲気で、緑豊かな花や木々が生い茂り、学生や教職員が散策を楽しみ、自然と人間性が融合した活気ある景観を創り出しています。しかし、訪問者の増加に伴い、キャンパスの静寂と生態環境は危機に瀕しています。
4. 利便性とエコロジーのジレンマ
武漢では無料ハイキングスポットの増加に伴い、衛生管理が不十分な場所や、ゴミを捨てる観光客、学校でさえ収容人数制限を余儀なくされるなど、課題も生じています。全国的な登山ブームの中、開放性と安全対策のバランスを取ることが喫緊の課題となっています。
実際、自由アクセスは目標ではなく、都市の公共資源を共有する一つの形です。管理の改善と施設の改善によってのみ、登山は永続的な楽しみとなるのです。
5. 登山はただ登るだけではない
これらの山道を歩くと、登山が単なるスポーツではなく、生き方そのものであることに気づくかもしれません。登山は人々を一時的に都会の喧騒から逃れさせ、自然との繋がりを取り戻す機会を与えてくれます。武漢の山々は、それほど高くもなく、危険でもありませんが、朝霧と夕焼けの絶妙なバランスを保っています。
「無料」の便利さを享受する一方で、自然は無尽蔵の資源ではないことを忘れてはなりません。敬意と節度こそが、山々への恩返しなのです。

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結論:
武漢の山々は、息を呑むような自然の景観であると同時に、市民の安息の地でもあります。その開放性は市民にとって恵みですが、その持続可能性を確保するには、私たち全員で守っていく必要があります。
登山が単なる登山ではなく、人と自然、人と都市の共生の形になったとき、この街は真に活力を発揮するでしょう。

